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保護犬・猫であるという「個性」。その「個性」を選択する私。ハピタスを通じた支援から見えた「新たな共感性」について、OMUSUBI事業の責任者である井島七海さんに再び伺ってみた

2021年6月17日よりハピタスに実装された新たなポイント交換先である「保護犬猫ポイント支援」は9月30日をもってして受付終了となった。
この原稿は終了直後の10月1日に執筆しているが、期間全体を通じた総交換件数は2,486件、総額86万2,341円であったという。ハピタスでは大規模災害などが起こった際に、被災者支援のための「ポイント募金」をたびたび発動してきたが、保護犬猫ポイント支援における実績はそれらポイント募金に匹敵するものだった。とても高い関心をお寄せいただいたことがわかった。
OMUSUBI(保護犬猫ポイント支援の送金先)事業の責任者・井島七海(いじま ななみ)さんに保護犬猫ポイント支援の意義について伺ったインタビュー記事を7月7日に公開した(https://www.oz-vision.co.jp/ozmedia/2114/)。9月末をもってして終了となった保護犬猫ポイント支援の結果をどのように受け止めていらっしゃるのか。今回の提携から見えたものはなにか。ハピタスを運営するオズビジョングループの公式ライターが井島さんに再び尋ねた。


井島七海(いじま ななみ)さんとマーク&アレックス株式会社PETOKOTO 執行役員COO 。OMUSUBI事業責任者。2017年にPETOKOTO (当時シロップ)にインターン生として参加し、2018年1月新卒第1号で入社。「人が動物と共に生きる社会をつくる」という会社ミッションの体現を目指し、事業開発、CS、広告営業に従事。2019年にはOMUSUBIを審査制マッチングサイト日本一の規模へ成長推進し、同年5月に執行役員に就任。現在はフード、メディア、マッチング事業横断のマーケティング戦略・推進を担当。


保護犬・猫であるという「個性」
その「個性」をポジティブに選択する時代

オズビジョン公式ライター(以下、公式):今回のOMUSUBIさんとの「保護犬猫ポイント支援」を通じた提携ですが、正直に申し上げるとこれほど関心を寄せていただけるとは驚きでした。
PETOKOTO執行役員・井島七海さん(以下、井島):ハピタスさんから毎月どのくらいの方が応援くださったのか報告をいただいていたのですが驚きの連続でした。これまで私たちもSNSなどを通じて応援してくださる方々とコミュニケーションを続けてきたのですが、あくまでも私たち発信で届く範囲の活動になっておりました。今回はそのコミュニティとは全く違うところでの企画だったのですが、コラボを通して保護犬・保護猫のサポートにこのような大きな関心を寄せていただけたことは、総件数はもちろんのこと、ご支援のお気持ちを大変心強く感じました。お寄せいただいたお一人お一人に心から感謝の気持ちを伝えていきたいです。
2015年にPETOKOTO(OMUSUBIの運営会社)が創業され、OMUSUBIをスタートしたのが翌2016年12月。私は学生時代からボランティア活動へも参加していたのですが、ようやく最近になって多くの方の関心を寄せていただけるようになったと実感しています。保護団体さんの粘り強い努力もあり、ネット上でも発信され、SNSで広がるといった時代の潮流に乗ることで今に至っているのだと思います。そして今回、ハピタスさんという新たなサービス様とのコラボが実現したことで、また別の可能性が大きく開花したと感じています。
公式:PETOKOTOはペット業界における殺処分の問題に端を発し、「人が動物と共に生きる社会をつくる」というミッションを掲げて各種のサービスを運営なさっていると理解しています。創業初期から関わっていらっしゃる井島さんから見た「変化」にはどのようなものがありますか。
井島:PETOKOTOでは社会問題の解決含め、ペットライフをより良くするため、お迎えから暮らし、日々の食事や健康管理ができるプラットフォームを目指しています。その中で「お迎え」を担うOMUSUBIが直結してくるのが殺処分問題等ですね。ここ数年で殺処分問題や保護犬・保護猫の認知度は高まってきています。また、「保護犬・猫を迎える 」という選択に潜む印象が「ネガティブ」から「ポジティブ」に変わってきているとも感じます。保護犬や保護猫を迎える選択肢自体は昔からありました。しかし懐かないんじゃないか、病気がちなんじゃないか、というイメージもあり、どこか(飼う人間の側が)自己犠牲をして選択するというネガティブな印象もあったと思います。しかし保護犬・保護猫は単に人がカテゴライズしただけの言葉であり、それぞれの個性が魅力であることは変わりません。OMUSUBIもそこを意識して発信するようにしていますが、先程お話したように行政・保護団体さんの粘り強い努力や時代の潮流により、犬猫の里親になる選択肢は少しずつ広がっていると感じます。
公式:なるほど。今回のハピタスにおける成果もそのような傾向に乗った結果なのかもしれませんね。


OMUSUBI決定数、累計1,000件突破
2021年8月単月OMUSUBI決定数、ギネスを記録

公式:今回お寄せいただいたポイントはマッチングサービスであるOMUSBIの活動にお使いいただいているとのことです。もちろんお寄せいただいたポイントだけでは語れないとは思いますが、昨今のOMISUBIの活動における成果を教えていただけますか。
井島:今回お寄せいただいたポイントは、OMUSUBIの運用・活動推進に活用させていただいております。
OMUSUBIにおけるもっとも重要な使命は、申し上げるまでもなく、保護犬・猫が一匹でも多く相性の良い家族と出会えるようにすることです。この家族として成立することを私たちは「お結び決定」と呼んでいるのですが、保護犬猫ポイント支援が実施されていた2021年7月に通算累計のお結び決定数が1,000件を超えました。また8月には、70件ものお結び決定が発生し、これは単月での過去最高の件数となりました。ちなみに8月は(掲載されている犬猫への)応募も過去最高でした。

ご支援をいただいていることで、私たちはOMUSUBIサイトの見やすさや使いやすさの向上など、さまざまな改善や企画に取り組むことができています。また、保護団体さんや各種企業さんとも連携し「認知の輪」を広げることも意識し活動しており、ネット関連の作業が苦手な団体さんへは個別でサポートも実施しています。保護犬猫ポイント支援などのさまざまなご協力はこれらの諸活動に活用させて頂いているのですが、今回お結び決定数が前述のとおり大きく伸びたたことは、保護犬猫ポイント支援を含めた多くのご支援のたまものと考えています。改めてにはなりますが、ご支援者さんやハピタスさんに心から御礼を申し上げたいと思います。


広域自然災害被災者への支援と同じように
自分事として感じていただける社会貢献

公式:既にお話したように「広域災害の被災者への募金」という非常にわかりやすいテーマに匹敵する成果となりました。比べるものではないかもしれませんが、「保護犬・猫と飼い主との出会いを支援する」というテーマは、広域災害にたいしてはニッチであるように感じます。今回強い関心をお寄せいただいた事実について何かお感じになることはありますか。
井島:支援者さんに共感していただきやすいテーマだったのかもしれません。「広域自然災害で被災された方を、私のできるやり方で支援しよう」という思いを持たれる方は多いでしょうし、人間の都合に振り回される犬猫たちをサポートしたいという想いにも共感していただきやすかったのではないかと思います。

またハピタスさんの仕組みに支援の方法がとてもよくマッチしているということもあるかもしれません。災害時のポイント募金も1ポイント1円分から寄付できるように、保護犬猫ポイント支援も1ポイント1円分からお寄せいただけますよね。端数としてお持ちのポイントをお寄せいただくこともできますし、一定のまとまった分をお寄せいただくこともできる。このようなご自身のお考えによって自由に選択できることが、今回お気持ちを比較的手軽にお寄せいただけたことにつながっているのではないかと思います。


OMUSUBIの使命は終わることはない
今後も求められる「人が動物と共に生きる社会」

公式:今回は9月末をもって保護犬猫ポイント支援は終了となりましたが、今後もOMUSUBIさんが業界の課題に挑んでいかれることと思います。その未来はどうなっていくとお考えですか。

井島:今は犬猫を取り巻く社会全体の動きは変わりつつあります。その中で新たに懸念される課題もあるため、OMUSUBIとして成すべきことを考え取り組んでいく、ということでしょうか。動物愛護法の改正により、主に繁殖事業者(ブリーダー)への規制が厳しくなります。劣悪な医療措置や飼育環境などが告発されてニュースに取り上げられることも増えてきている印象です。このような社会の動向をふまえ、私たちが掲げる「人が動物と共に生きる社会をつくる」というミッションをどう実現していくかを追求して参りたいと思います。

「ペットの飼育が相談可能な希少物件です」。先日不動産の広告を閲覧していたらやたらとこの謳い文句に出会った。実際、特に集合住宅や賃貸では、利用規約で禁止されている物件の方が多いのかもしれない。
一方で「保護犬・猫を愛情をもって育てる」ことがもっと市民権を得れば、そのようなペットを飼いはじめること自体の意味も変わっていくことにもなるかもしれないと思った。「ペットの飼育は利用規約で禁止されています(ただし保護犬・猫については制限なし)」といったように。そのような条件が優良住宅の証になる日が来ることもあるのかもしれない。
今回のOMUSUBIとの提携はハピタスポイントでしか成し得ない「保有ポイントで手軽に社会貢献する」という新たな価値の創造への挑戦となった。OMUSUBIへのポイント交換は9月末日をもって終了したが、「保有ポイントで手軽に社会貢献する」という新たな価値の発見は、OMUSUBI以外との提携の可能性も感じさせるものであったと思う。今後どのような新たな交換先がハピタスに実装されるのか、楽しみである。
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